岐阜の築23年目のマンションで、給水管の調査に引き続き、配管更生工事の選択を行っています。
そこで、いくつかの配管更生工事会社に直接、ヒアリング調査を行ったり、現場を見学させていただいています。
今回、現場見学したのは、「中部パイプライニング」さんが工事中の144戸のマンション。
この分野で30年以上の歴史を持つ、名古屋本社の会社です。
山中社長と現場監督の赤木さんにご案内いただきました。
以前、資料での説明は受けていたのですが、この会社の工法は「NPLⅢ工法、NPBⅡ工法、NPBラピッド工法」。
配管内部を削り、錆を除去した上で、塗料(樹脂)を塗り、温風と温水により、1日で完全に乾燥させるため、各戸の断水が1日で済むというもの。
それ以外にも、「住みながらの工事」を意識した色々な工夫がなされているのですが、事前に資料で説明を受けた時は、工事例と工事価格を聞いて、「配管交換工事に比べれば、確かに安いが、工事費はかなり高額だなぁ」と言うイメージがありました。
見学したマンションの規模は145戸で、工事期間は、3か月半。7人体制で共用部と各戸の工事を順次実施します。
工事金額は5千万円を超え、1戸あたりにすると40万円弱。
しかし、現地に来て、長期間工事の様子、使用しているいくつもの機械の大きさと種別、工事の段取りや工程と人の動きなどを見ると、工事価格の根拠が段々とわかってきます。
見えない配管の中をできる限り均一に、ミスなく塗装を塗るには、工事にかかる前の入念な分析と計画、誰がやってもできるようなシステム構築、しかし、最後は、きめ細かな現地作業と言う三つの要素が揃う必要があります。
また、「住みながらの工事」をスムーズに行うためには、設備の設置や安全管理と言う面でのソフト的な知恵もさることながら、施工スタッフのコミュニケーション力も欠かせません。
つまり、そういう人材教育投資も、当然、工事価格の中の販売管理費に織り込むべきです。
山中社長の技術に自信の溢れる説明や赤木さんのにこやかな説明、時々すれ違う住民さんとの挨拶や会話を聞くと、この現場で中部パイプライニングさんが、信頼されているだろうなあと感じるのですが、よくよく話を聞くと、3年前には排水管の更生工事では、競争見積もりで選ばれ、その時の評価が高く、今回の給水管工事は指名入札だったとのこと。
こういう点は、コンサルタントとしては、価格以外の大きな評価点です。
これらを総合すると、最初に感じていた「高い」と言うイメージは、「決して高くない」と言うイメージに変わりました。
もちろん、もし私がコンサルタントまたは顧問としてこの工事を査定すれば、個々の現場で、「マンション側に立った、厳しい査定と競争見積もり」になりますが、こうして、見学すると、その際の評価軸に厚みが出ます。
また、給水管工事のため、蛇口などは取り外して、再び取り付けるわけですから、これを機会に新品へのリフォームサービスを実施されているそうです。
取り外し・取り付け工事は、元々ライニング工事に含まれているので、各戸は部品代だけの負担。
あるいは、これを機にキッチン全体の工事をやるにしても、全体としては安くなるので、住民にとって、メリットが大きく、かなりの人が利用されたとのことです。
聞けば「なるほど」と思いますが、発想が顧客志向なのが、素晴らしいです。
最後に、現場の写真。一つ一つ解説するのは大変ですから、配管の更生工事を検討中のマンションの皆さんには、「百聞は一見にしかず」ですよ!とお伝えしておきます。
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