前回は、岐阜市内で築12年目の15戸程度の小規模マンションからのSOSの話を書きましたが、今回は、3月に初回相談のあった名古屋市内の40戸程度のマンションからのSOSの話です。
このマンションでも、管理会社から、「そろそろ大規模修繕工事の時期ですよ。修繕委員会を立ち上げましょう」と言う提案があり、6月の総会に向けて、委員の募集が始まっていました。
ただ、大規模修繕工事について、住民が学ぶ機会なく、いわば「施工ありき」で話が進められてきました。
そして、修繕委員にも立候補され、意識の高い一人の住民が、3月の私の講演を聞かれ、その後、マンションの管理資料をもって来られ、ご相談。
管理・長期修繕計画の適性診断を実施。
診断結果は、管理委託費の無駄が多く、30%程度のコストダウンが可能。
管理品質も長期修繕計画も改善の余地が一杯ありました。
そして、改善を実施するには、理事会を動かすことの必要性をお話ししたところ、次には、理事長を当社に連れてこられて、私のレクチャーを聞いていただきました。
その結果、リクエストいただいたのは、6月の定期総会で勉強会を実施し、そのまま当社とのコンサルティング契約を議案にしたいとのことでした。
普段から、とてもまとまりのあるマンションで、総会をかき回すような人はいないため、いきなり、総会で私が登場しても大丈夫!と言うのが、理事長の見解です。
逆に言えば、そういうマンションだからこそ、管理会社の担当者にとっても、扱いやすいマンションだったわけで、私の勉強会を聞けば、まさに「井の中の蛙」だったことに気づき、間違いなく議案は通るだろうと思われたわけです。
しかし、実は、過去にも、「総会で提案すれば、間違いなく通る」と言われて、40戸規模のマンションでの総会に臨んだところ、その時に限って、普段は総会に出ない人が、参加して、反対されたということもありましたから、「ちょっと、お待ちください」と申し上げました。
と言うのは、昨日の話のような20戸程度までのマンションであれば、「人となり」が把握されているので、理事長の「大丈夫」は、かなり大丈夫なのですが、40戸にもなると、一度も話したことがないという人も、います。
そもそも、日本人にとって、普段の仕事でも生活でも「コンサルタント」と言う人物と接したことは、ほとんどなく、お金を支払って、成果を上げるというコンサルティングの仕組みに懐疑的な人は、少なくないのです。
したがって、理事長が私を気に入って下さり「組合にとって、こんないい話はない!」と思われても、一人でも、強い反対者がいると、総会で多数決を取るという決断ができないのがマンション自治の特有の現象ですから、規模が大きくなればなるほど、理解を得るための慎重な対応が必要になるのです。
今回は、特に、大規模修繕の準備と管理見直しの同時コンサルティングになるため、勉強会もたっぷり必要で、定期総会の時間がかなり長くなってしまうため、「まずは、住民向けの勉強会を行い、関心のある方に参加していただき、理解した上で賛成だと言われる方が多数おられたら、その時初めて、総会議案にしましょう」と提案しました。
また、このマンションは、これまで、建物の不具合記録はなく、施工した会社も良いので、建物の状態も良い可能性が高いことから、一度、当社が簡易的な建物診断を行い、勉強会で、大規模修繕工事が、次の消費税増税が落ち着いた頃まで延ばせそうかどうかのアドバイスも行うことにしました。
当社は、大規模修繕コンサルティングを行う会社ですが、「大規模修繕工事をどこまで合理的に延ばせるか?」を最優先に考え、それよりも先か、あるいは同時に、ほぼ間違いなく「劣化している管理」を改善することを提案します。
実は、管理の劣化が回復できると、管理費余剰金が大きくなり、長期修繕計画に余裕が生まれるので、大規模修繕工事においても、将来を見据えたグレードアップ工事ができるから、一石二鳥なのです。
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