二つのマンションと一つの高校とが、共同して設置したアナログテレビ電波障害対策施設の撤去に関するコンサルティング提案をしました。
多額の経費がかかることから、一つのマンションだけでも、「懸案事項先送り」で、無駄な電柱使用料を支払い続けると言うケースが多いこの問題ですが、今回は、3つの建物、しかも、マンションと高校と言う意思決定の仕組みが全く異なる者が、共同発注するという難しいケース。
加えて、地デジ移行期に、何らのPRも行っておらず、今もなお、マンションにある従来の電波障害対策用の既存のUHFアンテナから、そのまま地デジ電波を拾って視聴している住居が、かなり残っている模様。
管理会社は、当時、それに関するアドバイスを何もしておらず、今回、当社に相談があって、現地調査を行った結果、初めて分かったことです。
規模も、ケーブル配信先が25戸と広範囲で、かつ、その中にアパートが数棟あり、ラブホテルもあるという、個別の対応が必要な利用者がいるので、より慎重な対応が望まれます。
こうした状況に対して、当該マンションから管理会社に対して、
「近隣への事前の周知や苦情対応をしてもらい、工事はケーブル工事店に頼めないのか?」
と聞いたら、管理会社は、
「管理委託業務には、そういう仕事を受ける内容は含まれていないし、別料金でも受けないので、近隣対応を含めて、すべてケーブル工事会社に依頼することになります」
と言うのが回答。
そして、管理会社から出されたのは、
「現在ケーブルを引いている全戸にアンテナを立てる工事費を組合が負担する」
と言う案。
金額はかなり高くて、○○○万円。工事会社は全国に支店を持つ規模の会社ですから、丸投げして安心。全戸にアンテナを無料で立てちゃうということならば、多分、文句は出ないでしょうから、ある意味、究極の「近隣対応策」ですね。
管理会社も、一切責任を取らなくて良いですし。
これに対して、当社が提案したのは、撤去工事は、過去の案件で入札をした電気工事の中から、対応力と価格競争力のある会社を指名し、過去の見積に準拠して金額を算出。
近隣対応は、当社が顧客対応指導と配布文書の監修、進捗管理を行い、工事会社が対応するのですが、地デジ化に際して国から出されたガイドラインに準拠して、対象住民の皆さんに、地デジが受信できるエリアでのアンテナ等の設置は自己負担でるとの理解をしてもらうというもの。ただし、住民の皆さんにとっては、「寝耳に水」なので、慎重に対応するという案。
つまり、それぞれの得意分野を生かし、「近隣対応」のコア部分は当社が担い、工事と現場対応は工事会社が担うという図式。
当社のコンサルティング料を入れても、管理会社の見積より、約100万円程度安い。
「モノの積み上げ」で問題を解決る管理会社と「知恵による工夫」で問題を解決するコンサルティング会社と言う違いですね。
話し合いの結果、金額の安さも要因ですが、「考え方」に賛同いただいて、当社に依頼いただくことになりました。