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ホーム > トピックス > 【大規模修繕】国の定めた大規模修繕工事の契約書ならば、ホントに大丈夫か?(2)

【大規模修繕】国の定めた大規模修繕工事の契約書ならば、ホントに大丈夫か?(2)

2014年12月21日(日)

大規模修繕工事における契約書のチェックの話の続きです。

国土交通省が示した「建設工事標準請負契約約款」を元に、民間の建築団体が定めた「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」。

国の示したひな形に、民間の実践的な知恵を付け加えたもので、条文は次の構成になっています。

第1条 総 則
第2条 工事用地など
第3条 関連工事の調整
第4条 請負代金内訳書、工程表
第5条 一括下請負、一括委任の禁止
第6条 権利、義務の譲渡などの禁止
第7条 特許権などの使用
第8条 保証人(保証人を立てる場合に用いる)
第9条 監理者
第10条 現場代理人、監理技術者など
第11条 履行報告
第12条 工事関係者についての異議
第13条 工事材料、建築設備の機器、施工用機器
第14条 支給材料、貸与品
第15条 監理者の立会い
第16条 設計、施工条件の疑義、相違など
第17条 図面・仕様書のとおりに実施されていない施工
第18条 損害の防止
第19条 第三者損害
第20条 施工について生じた損害
第21条 不可抗力による損害
第22条 損害保険
第23条 完成、検査
第23条の2 法定検査
第23条の3 その他の検査
第24条 部分使用
第25条 部分引渡し
第26条 請求、支払、引渡し
第27条 瑕疵の担保
第27条の2 新築住宅の瑕疵の担保
第28条 工事の変更、工期の変更
第29条 請負代金額の変更
第30条 履行遅滞、違約金
第31条 発注者の中止権、解除権
第32条 受注者の中止権、解除権
第33条 解除に伴う措置
第34条 紛争の解決
第35条 補 則

契約書が最も活躍する(?)タイミングは、当事者同士がもめた時です。
信頼関係があり、工事が完了して、支払いが終わるまで、うまく行くならば、まず、契約書を読み返すことはないでしょう。

と言うことは、契約書のチェックで一番大事なのは、「紛争が起きた場合の処理」とか、「契約解除」等の項目になりますね。

しかし、契約締結時には、ほとんどが相思相愛状態ですから、紛争が起きたことを想定して、シビアな確認をすることは、ない。。。

結婚するときに、「離婚しそうな場合、離婚した場合に備えて、誰に仲裁を頼むのか、財産分割はどうするのか、あらかじめ決めておこう」と言う話し合いがなされないのと同じです。

では、業者側が作った約款には「紛争処理」について、どう書かれているかと言うと、

「この契約について発注者と受注者との間に紛争が生じたときは、建設業法による建設工事紛争審査会(以下この条において「審査会」という。)のあっせん又は調停によってその解決を図る。」


とあります。

では「建設業法による建設工事紛争審査会」の構成メンバーはと言うと、
「弁護士を中心とする法律委員と、建築、土木、電気、設備などの各技術分野の学識経験者や建設行政の経験者などの専門委員」
です。

これ、中立的立場の人ではありますが、「建設のことはプロにしかわからないだろう」と言う観点から、技術者中心なんですね。と言うことは、「生活者の感覚」ではなく、「事業者側の感覚」に近いと言った方が良い。

住民の立場から言えば、建設業界に天下る可能性のある省庁の役員がいるなら、消費者庁の役員もいた方が良いし、更には、消費生活アドバイザーとか、純粋に生活者側100%の立場の人は、ぜひいて欲しいですよね。

と言っても、そういう構成メンバーにしてくれと言えないし、そういう人が入っている組織は、存在しないので、結果としては、「紛争処理を建設工事紛争審査会に委ねることを避けましょう」というアドバイスになります。

ではどうするか?

マンションの所在地にある地方裁判所を紛争処理機関にするという選択がベターだと思います。

こんなセンスまたは姿勢で、いざと言う時にでも、マンション管理組合の利益や立場を守るために、契約書のチェックを行っています。

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