分譲マンションにおいて、十数年に一度行う大規模修繕工事や増築、エレベーターの交換などの際には、設計図書が必要です。
新築時には、管理組合ができていないことがほとんどですから、通常、販売会社から、管理会社に渡されます。
その図書は、竣工図面・建築確認申請書(検査済書)・構造計算書・住宅性能評価書(評価を受けていれば)です。
竣工図面は、設計図面の段階から、実際に現場で施工される過程で変わったところを反映したものです。
竣工図書は冊子になっており、その他の図面は、A4サイズで厚さが10センチ以上あることが普通です。
今、名古屋で管理見直しコンサルティングにより、管理会社が替わるマンションにおいて、引継ぎ業務を行っているのですが、上記書類が一つもないという事態が起きています。
まだ、築11年で、これから大規模修繕工事を行うマンションです。
管理会社に尋ねたところ、
「あるのは、設計図だけ。それが竣工図書だと思っていた。それ以外は、知らない。」
「理事長が、新築時に販売会社から受け渡され、理事長の引継ぎ資料にあるのでは?」
という回答。
管理委託契約書には、「マンションに関する設計図書は、管理会社が管理室で保管する」と明記されていますし、そもそも、管理を受託する際には、販売会社から指名されて、始動するのですから、建物や設備の維持管理に必要な設計図書一式を確認するのが、当然です。
最終的には、その図書の持ち主は、確かに管理組合ですが、建築のことがわからず、毎年理事が交代する組合側が素人なので、プロの管理会社を保管者として委託しているのです。
したがって、今回、設計図書を一式取り揃えて、新会社に引き継いでもらいたいと、申し入れました。
この管理会社は、新聞などにも広告を出している、それなりに大きな管理会社です。
ちなみに、「これまでの修繕履歴一覧表を出してください」と依頼したら、「作ってない」という回答でした。
私とこの管理会社の担当者の一連の会話を聞いていたこのマンションの理事会・管理検討委員さんたちが、怒り出したのは、当たり前ですが、同時に、「この段階で、専門家(当社)にコンサルティングに入ってもらわなければ、このマンションはどうなっていたかと考えると、恐ろしい」と。。。
こういうマンションのケースは、氷山の一角です。
自分のマンションの管理がどうなっているのか、早い時期にプロに点検してもらうことをお勧めします。
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